最新の高血圧ガイドライン!血圧の高低差・気になる上下の数値は?
私たちくらいの年になると、健康診断の結果が気になり始めてくる頃。
自分や家族の血圧が“少し高め”と言われて、「どうしたらいいものか・・・」と思っている人も多いはず。
今や国民の2人に1人が高血圧と言われる時代。
日々の暮らしを楽しむ為にも、長く働き続ける為にもまずは健康第一!
そこで今回は高血圧が健康に与える影響、高血圧を改善する方法を調べてみました。
それから最近、日本高血圧学会が「5年ぶりに『高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)』を改訂した」というニュースが話題になっているので、改訂内容についても説明します。
血圧の数値の見方や目標値など、血圧が気になる人はぜひ参考にしていただければと思います。
最新の高血圧ガイドライン!血圧の高低差・気になる上下の数値は?
「高血圧治療ガイドライン2019」の中身
高血圧の新基準・上下の数値は?
基準値は従来と一緒で変更なし!
診察室血圧 140/90mmHg
家庭血圧135/85mmHg
降圧目標→【NEW】今回の改訂で引き下げられた
降圧目標とは高血圧と診断された人が「どのくらいまで血圧を下げればいいか」を数値で示したものです。
今回の改訂では降圧目標が引き下げられました。
診察室血圧 130/80mmHg
家庭血圧 125/75mmHg
2014年(5年前)は?
診察室血圧 140/90mmHg
家庭血圧 135/85mmHg
降圧目標が下がるとどうなる?
患者はこれまでよりも厳しく血圧の管理が求められるようになり、新たに450万人が「降圧薬の治療の対象者」となる見込みです。
高血圧のガイドラインは何を基準に決めているのか?
⑴ 欧米の学会の基準値の影響
欧米の学会の影響があるようです。欧米の学会では、一昨年「米国心臓病学会」と「米国心臓協会」が同数値へと引き下げを行いました。その後、昨年は「欧州高血圧学会」と「欧州心臓病学会」が相次いで降圧目標を130/80mmHgへと引き下げています。
⑵ 米国で行われた臨床試験「SPRINT」
高血圧治療の臨床試験は世界各国でこれまで何度も行われてきていますが、米国で行われた「SPRINT」という試験は医学界に衝撃を与えました。
同試験では、高血圧の被験者の血圧を厳格にコントロールしたグループの方が、心臓病の発生率が下がり、総死亡率も低くなることが明らかになりました。こういった結果が出たのは世界初だったので、「やっぱり血圧を下げた方がいい!」ということの裏付けとなりました。
高血圧のガイドラインが米国基準になると問題はないのか?
日本人と米国人では、体質やかかりやすい病気なども異なるので、米国のデータをそのまま日本人の基準値にも当てはめていいのだろうか?
と議論がされています。
ただ、日本人は高血圧から脳卒中になる数が「米国人よりも多い」というデータもあるので、血圧には敏感でいるに越したことはありません。
高血圧になる主な原因は?
遺伝的な要因が「6割」、残りの「4割」が生活習慣によるものとされています。
遺伝的な原因でない場合は、塩分の多い食事、ストレスや過労が続く環境に長年身を置いていること、肥満や喫煙、飲酒などが高血圧を招く原因になります。
ところで、血圧の高低差は少ないと良くないってホント?
上の血圧、下の血圧って何?
上の血圧(収縮期血圧):太い血管
収縮した心臓が血液を送り出す時の血圧
下の血圧(拡張期血圧):細い血管
心臓の拡張で血液が心臓に戻ってきた時の血圧
上の血圧と下の血圧の高低差のことを「脈圧」と呼びます。
血圧の上の数値が高くて下の数値が低い場合は(高低差が大きい)
高低差が大きいということは、脈圧が大きいということ。心臓から血液を全身へと送り出している太い血管で「動脈硬化」が進んでいるサイン。
諸説ありますが、脈圧が70mmHg以上だと注意で「脳卒中のリスクが高まる」と言われています。
血圧の上の数値が低くて下の数値が高い場合は(高低差が少ない)
心臓から排出される血液量が少なく、末梢の血管は収縮していて血液が流れにくくなっている状態です。
上の血圧が正常範囲でも下の数値が基準値内に収まっていない場合は、この場合も「高血圧」です。
若年層で肥満であったり、運動習慣がない人はこの状態になりやすいそうなので、生活習慣の改善がマスト。
どちらの数値も高い場合は
どちらの数値も高いということは「平均血圧」が高い状態ということ。この場合は、細い血管で「動脈硬化」が起きている可能性が高く、下の血圧(細い血管)に連動して上の血圧(太い血管)も高くなります。
加齢による動脈硬化の始まりは、はじめに細い血管から起きて、太い血管にも進行していく場合が多いので、この段階の時に手を打つことが大事です。
高血圧を劇的に改善する3つの方法
塩分の排出を促す食事を心がけよう
高血圧は遺伝や肥満、運動習慣の有無なども関係しますが、塩分が多い食生活がその原因となることも。
塩分量は1日6g以下で調整し、塩分の排出を促すカルシウムやカリウム、マグネシウムなどを多く含む食材を積極的に摂るようにしましょう。
キュウリやスイカなどの野菜や果物、乳製品がそれに当たります。
最低でも一日30分程度の有酸素運動を
高血圧の治療には運動も効果的。
運動により、血流の改善や糖や脂質の代謝機能の促進などによる相乗効果で血圧が下がるというのが理由です。
1日30分程度のウォーキングを習慣にしてみてください。
お風呂でリラックス!血行を良くする入浴(ストレス解消)
湯船に浸かると水圧や浮力がかかり、血行が良くなるため運動と同じような効果が期待できます。
また、入浴でリラックスするとストレス解消にもつながり、乱れた自律神経のバランスが整って血圧が安定します。
今日のまとめ
最新の高血圧ガイドライン!血圧の高低差・気になる上下の数値は?
高血圧が続くと血管が障害されて動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞などが起きやすくなります。
そうなると命に危険が及んだり、手足が動かなくなるなどの後遺症が起きる可能性も。
だから高血圧を甘くみてはいけません。
健康診断の結果に不安を感じたら、食事の工夫や運動、ストレス管理などを徹底して体重を少し減らすだけでも、数値はだいぶ変わってきます。
働き盛りの今こそ、ご自身やご家族の血圧を見直して、健康維持に努めてくださいね。
◉ 「高血圧治療ガイドライン2019」の中身
・診察室血圧140/90mmHg→130/80mmHg
家庭血圧135/85mmHg→125/75mmHg
新たに450万人が「降圧薬の治療の対象者」となる見込み
◉ 高血圧になる主な原因は?
・遺伝的な要因が「6割」、残りの「4割」が生活習慣によるもの
◉ ところで、血圧の高低差は少ないと良くないってホント?
・上下ともに基準値内に無ければ注意が必要
◉ 高血圧を劇的に改善する3つの方法
・塩分の排出を促す食事を心がけよう
・最低でも一日30分程度の有酸素運動を
・お風呂でリラックス!血行を良くする入浴(ストレス解消)
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